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2.1.5タイのプロダクトプレイスメントの活用背景
では、タイのドラマや企業がプロダクトプレイスメントを活用している背景を見ていく。イミジ(2010)によれば、タイは、韓国ドラマの輸出国の中で取引の金額が最大だという。そして、岩井ら(2006)は特定の層に向けたマーケティングを韓国社会の消費トレンドから考察し、ドラマに熱心な層はドラマ制作側が露骨にドラマ内に広告を出しても、主人公の使っているものを自分も使うことのできる、という感覚になり、結果的に売り上げにつながったと述べている。この2つの文献から、タイでのプロダクトプレイスメントの普及は韓国ドラマが影響していると推測することができる。なぜ推測にとどまるのかというと、日本語の論文において、タイのプロダクトプレイスメントに言及している先行研究はほとんど見受けられなかったためである。
また、タイのテレビ局は地上波6局と600以上のローカル局の衛星放送からなっており、そのほかにインターネット回線を介してみることのできるテレビコンテンツもあるという(Sasiphan,2014)。ここから、多くのテレビ局があり、視聴者が特定の広告を見る機会が少ない、言い換えると視聴者が分散しやすいタイだからこそ、ドラマ作品内に映像を織り込む手法が発展したことがうかがえる。
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