【卒論全文公開:2.1.7/2.1.8】

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2.1.7場所を用いるプロダクトプレイスメント

 臺ら(2015)のように、映画のロケ地として実際の観光地を用いることもプロダクトプレイスメントの一環であると述べられている。また、Yingyingら(2018)の研究では、タイのドラマや映画がもたらす中国人視聴者への広告効果について述べられている。タイのバラエティ番組やドラマは収録場所を実際にあるホテルやビーチリゾートで行うことがある。そのため、Yingyingらは、ここでは製品というよりタイの土地柄、南国イメージに魅せられて中国人観光客が増加していると述べている。しかし、プロダクトプレイスメントとしての実行のしやすさ、映画よりもドラマは基本的に作品の長さが短いため手軽に見られる点から、本論文ではドラマ、そして、ロケ地などの場所としてではなく製品を作品内に配置する手法について焦点を当てたい。 

2.1.8広告分析の手法

 金澤(2013)はインドの様々な媒体の広告に焦点を当て、インドの広告のどのような点が魅力的と感じられるのかを検証した。金澤はそれぞれの広告作品を言語、登場人物でラベリングし、その広告を制作した会社まで分析していた。連(2016)は、2016年までのプロダクトプレイスメントの研究のほとんどが英語か中国語の論文であったことから、それらの先行研究を日本語でまとめ、プロダクトプレイスメントの詳細な分類についても言及していた。その分類は「スクリーンプレイスメント(台詞では商品が言及されない)」、「スクリプトプレイスメント(セリフ内で商品が言及される)」、「プロットプレイスメント(脚本と商品を結びつける)」の3種である。また、連(2016)は今後のプロダクトプレイスメント を扱う研究のためのフレームを提示していた。そのフレームは、ターゲットとなる台湾のトーク番組にどのような商品が上にあげた3種のうちのどの方法で何回、もしくは何分登場したかというものである。

 プロダクトプレイスメントに関する先行研究の多くが「過去に研究された指標や基準が少ない」ことを挙げており(e.g.,山本ら,2005,村山,2016)、後世の研究のためにも統一されたフレームや基準を用いて研究することが求められる。

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